2019下期 ソニー総合提案会レポート
先日、ソニーの総合提案会、新商品発表会がございました。
今回も、この提案会をとおして、今後のソニーの方向を見通しておきたいとおもいます。
まずは、BRAVIA(テレビ)です。これについては、商品ラインの変更はなく、増税前に価格訴求していく形で市場への普及を試みる模様です。価格更新情報は随時ご報告いたします。
しかしそれにしても、企業とは基本的には昨年度からの成長を目標とするものです。
商品ラインの変更がなく価格を訴求していく方法をとれば、この目標を達成することができません。この点について、ソニーは、販売するインチ数の拡大を提案してきています。大型テレビの販売台数ウェイトが増えればそれだけ売上もUPし、昨年度からの成長を達成できる、ということです。われわれ流通過程における販売店も、現在、この点における消費者への提案が強調されました。
しかし、前回の提案会レポートでも報告しましたが、日本の家屋事情にどれだけの大きさのテレビが設置できるか、この問題を据え置いておかないと、市場への普及は難しいのではないか、と思われます。
(本記事後半に、8Kディスプレイの話がございます)
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ここからは新商品の紹介です。
ソニーが現在力を注いでいる、映像・カメラ・音響の3カテゴリー。この範囲の中で商品が提示されるものとなりました。言い換えれば、これまでの技術の延長線上に、製品を据え置いた状況といえるでしょう。
しかし、それぞれの商品カテゴリーの中において、後述するように、旧商品との違いを搭載させていることも事実で、その点において、現在はこれまで創造してきたカテゴリーの需要拡大期と、ソニーは捉えていると思われます。
このタイミングにおいて投入された、主だったものは、次のものになります。
・4Kチューナー内蔵ブルーレイレコーダー
・α6600、α6100シリーズ
・RX100mk7
・ワイヤレスヘッドホン
・ウォー●●ン(40周年記念)
・4Kチューナー内蔵ブルーレイレコーダー
いよいよ、ソニーでもこれが11月16日に登場いたします。初期に4Kテレビを購入された皆さまには、昨年に登場した4Kチューナーと並んで、こちらのレコーダーをご用意いただければ、BS4K放送をご覧いただくことができます。
・α6600、α6100シリーズ
α6500の後継機種としてα6600が11月1日に、α6000の後継機種としてα6100が10月25日に、登場いたします。これらの機種に限らず現在ソニーのカメラで注目を浴びている機能のひとつが「瞳AF(オートフォーカス)」機能です。いま一つの特徴として連写機能が優れているのですが、この連写の出来をさらに高めるのがこの「瞳AF」です。動体(人間や動物)の瞳を見極め瞬時にフォーカスする力を備えています。他社比較もされており、この性能はどのメーカーにも引けをとりません。
・RX100mk7
コンパクトデジカメにおけるRX100シリーズ。その最新モデルになります。
このシリーズの特徴は、コンパクトデジカメでも一眼カメラに引けをとらないものを楽しんもらうために、コンパクトデジカメに大型センサーを搭載させている点です。このマーク7では、シューティンググリップがセットになっているキットモデルも提案されているのが特徴です。
・ワイヤレスヘッドホン
ワイヤレスノイズキャンセリングタイプの1000Xシリーズ、完全ワイヤレス商品が発売されております。ヘッドホンは今やファッションのひとつ。商品も多様化いたしました。その結果、どのように商品を選べばよいか分からなくなっている人もいるかもしれません。この点については、後日、別の形で整理してみたいとおもいます。
・ウォー●●ン(40周年記念)
おっと、これは・・・・
プレス前なので、発表後にお伝えしたいとおもいます!
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さて、参考展示ではありましたが、8Kディスプレイが展示してありました。これは、すでに米国で発売されているものでもあります。
以前に書いたレポートにおいて画像処理エンジンが、8K映像を処理できるほどの能力をもっており、8Kテレビの登場を予感させる、という内容を報告いたしましたが、ここへ来て、参考展示としてわれわれに案内がなされました。
しかし、ここには重要な事実がございます。
ご存知の方も多いとおもいますが、85インチクラスの商品となります。こうした展示から次のことが推測されます。つまり、8Kクラスのテレビは、4Kテレビよりも平均インチ数が大型になる可能性がある、ということです。
「技術は市場を創る」
これは、モノづくりにおいては重要な命題ではありますが、実は次のようなことも言えるのです。
「技術は市場から無視される」
この現象も、モノづくりの歴史の中で常に生じてきたことでした。例えば、あまりにも高機能な技術は、それが消費者のニーズを捉えきれず、まったく逆に受け入れてもらえないというものです。
8Kテレビはどうなるでしょうか。
ここで重要な役割を担うのが、流通過程、そこに存在する、消費者との接点となるわれわれのような流通業者です。8Kテレビという技術を誇示するだけでなく、消費者の接点において、流通過程を通した丁寧なコミュニケーションの展開が、この商品の成否を決定づけていくのではないか、と考えられます。
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現在ソニーから投げかけられているテレビ大型化の背景には、恐らく8Kテレビという技術の存在がございます。
現行機種内での大型化の実施・普及が流通過程をとおしてどれだけ普及しうるかが、8Kテレビの市場形成に影響を与えうる、と現段階ではとらえておきたいと思います。
引き続き、この点をチェックしていきたいと思います。